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教授ゴルギアス

地方大学教授のぼやき.なおこの物語は事実に基づくフィクションである.

RE(2):ゼロへの道

「ゼロへの道」のコラムにコメントをいただいた。

私はここで女子学生の就職指向について述べて「考えが昭和だ」と嘆いている。

それに対するコメント。
「大学院なんか行ったら年取って婚期逃しますから、大学で卒業して、お婿さんを探します。」

これはまんざら嘘ではなく、昭和の考えでもありません。

平成でもこれはまだ事実としてしっかり存在しています。

男性にはわからないかも知れませんが、婚期を逃してアカデミックで成功しても何だかつらいです。

子育てもして、アカデミックポストを得て、研究も第一線でなんて本当に無理だと思います。

私自身、子供を持てる年代ギリギリになって、やっぱり研究を諦めて妊活した方がよかったかも?と後悔しています。

でも、必ずしもその努力が報われるとは限りません・・・。

結局、心の片隅に「一般的な女性の幸福な一生」とは違う人生になってしまったんだなあ~という一種諦めの気持ちが残ります。

たくさん論文書いた、研究費稼いだ、学生を熱心に指導した・・・云々、子供を育てなかった負い目を何か別の形で社会に貢献したとか自分が生きた価値があったんだと全力で証明し続けなくてはならない気がして、苦しいです。

もう少し時間が過ぎたら、周囲からの憐れみのような言葉や態度にも笑って対応できるようになるのでしょうか・・・。

これを書かれた、たかさんは女性研究者として成功されている方である。

敬意を表します。

確かに、研究者って時間がないですものね。


でも、大学院は行くべきであると思います。

以下は一般的にあちこちで言われていることですが、学生さんの読者も多いので、あえて書いてみます。


(1)まず、「就職先とその内容が異なる」という点

開発や研究などの創造的な仕事をしようとしたら、専門を極め、国内外での研究発表やまとめ方を経験している院卒の方が有利。

単純なプログラミングや製造は海外にシフトしていき、創造的な仕事が求められています。

そんな中で自分の強みを1つ持って、戦っていける契機になると思います。


(2)また、「その気になれば後期課程に社会人でも比較的簡単に在籍できる」という点。

学部卒で社会人として大学院に戻ると、講義にほぼ毎日日中は出なければならず、前期課程修了か厳しいと思われます。

しかし、後期課程であれば融通が利きます。

よって、前期課程を修了していれば、社会人を続けながら学位の取得は可能で、スキルのの方向修正やリセットが可能です。

たかさんのようなアカデミックの道の選択も可能になります。


2つしか述べてないですが、理系の場合は学部で卒業するより、随分と選択肢とその内容が広がります。


さて、たかさんの場合はその後の選択です。

アカデミックの道を選ばれたのです。

そこで成果を上げられ、社会に貢献されています。

特に、30代前半は研究に脂がのる頃でもあり、自分が世界の最前線だと思うとその競争から抜けるのがもったいなく思えます。

余人を持って代えがたい貢献なのです。

憐れみではなく、畏敬の念を感じます。


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この記事へのコメント

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共感!!!

こっそりといつも拝見させていただいています。たかさんのお話、大変共感しました。はじめてコメントさせていただきます。私は、たかさんみたいに成功していませんが、大学院には前期課程まで進学し、その後、仕事をしながら、課程博士ではなく、論博で学位をとることができ、女性研究者のはしくれとして細々と仕事をさせていただいています。卒業して何年経つんだろう。未婚です。確かに、婚期を逃すって分かります。大学院進学がってことよりも、単純な仕事じゃなくて、創造的な仕事で上司にも認められる人材になるってことは、たとえそんなに華やかな成功でなくても細々とでも、やっぱり、結婚は犠牲になるような気がしています。ゴルギアス教授がおっしゃられているように、研究に脂ののる頃、仕事で活躍できているって時期にその競争から抜け出るのは、もったいないし、休んでしまったらもう戻れないことが多いんです。制度が充実とは言葉ばかりで・・・バイトばかりしている学生よりも、勉強熱心な学生の方が学生だって教授の立場からしたら好まれるでしょ?職場だってそうです。仕事ですから。男性は脂ののった頃に結婚しても別に休む必要もないし、結婚しないである程度仕事が一段落してから結婚をと思っても、生殖能力の衰えはありませんが、女性はそこまで待っていたらもう手遅れになってしまいます。生物学的本能でいったら、男性からしたら、女性の結婚は若いってことが重要なんです。それに、理系に限らず、文系の分野でも、女性の就職で一般職、総合職ってどちらを選ぶかなんていうことが話題になった時期もありますが、共働きが増えているとはいえ、男性は職場では仕事能力の高い女性を求めるのに対し、結婚相手には仕事で活躍できる女性よりは、スキルがあまり必要ない仕事で家計を助け、家事、育児と自分を癒してくれる若い人材を求めています。バリバリ研究や仕事をしていたら時間がないってことよりも、やっぱり男性の需要のイメージにマッチしないってことなんです。本当は、すごく華やかに仕事で活躍できている女性って器用なので、時間がないながらもそのやりくりがうまくて、家事の能力も優れているし、プライベートではすごく女性らしい人が多いんだけど・・・。現実は、学生がバイトするって感じよりは、どこどこの飲食店の店員さんがたまに学生してるみたいな人の方が、幸せだったりして。結婚、子供にも恵まれて、で、バイトの仕事で正社員になったから、子育ては保育園、夕飯は惣菜で~、私働いているから時間ないし~。仕事の中身なんて関係なく、単純でも創造的でも一般的には仕事は仕事ですもんね。仕事で活躍できても、私生活に対する憐れみのような言葉や態度を受けて居場所がないのは私も良く経験しているので分かります。男性にはこの苦しみは分からないと思います。たかさんをはじめ、私も、私の知人も皆、研究や仕事で活躍する女性全員が、プライベートでも幸せになれることを望みます。最後に学生さんへ、こんなコメントを読んだら大学院に行きたくないって益々思うかもしれませんが、ゴルギアス教授のおっしゃるように選択の幅が出ます。そして、前期課程だけなら進学しても婚期を逃すことには直結はしないですので大丈夫ですので安心してください。あと、もしたかさんのような先生が大学にいらっしゃったら、「あの先生独身だって~ああはなりたくない」とか、「結婚なんか興味がないんじゃない~」とか、「結婚よりも仕事を選んだんだね」って思ったり、態度に出したりせずに、先生だって女性として色々苦しんでいることを分かってあげて欲しいです。そして、男子学生も自分が女性だったら・・・想像して、結婚について考えてみてほしいです。学生時代には勉強だけでなく、想像力や人を思いやる心を養って欲しいです。
  • from はじめまして :
  • 2015/08/12 (15:12) :
  • Edit :
  • Res

Re:共感!!!

貴重なコメントをありがとうございます。
大変参考になりました。
一流で研究する人生を選ぶと言うことが男性とは違い、いかにに大変であるか。
また、修士前期課程卒の選択幅の広がりについて共感していただけたのは大変うれしかったです。今後ともよろしくお願いします。
  • from Gorgias :
  • 2015/08/12 (21:16)

研究する人生を選ぶ際に覚えておいて欲しい事

たかさんのコメントには私も非常に共感しました。そして、こういう話題になったときに思うのは「男性はのんきでよいなぁ」ということでしょうか。私自身も、出産適齢期を過ぎた女性研究者で、同様の虚しさに日々曝されています。結婚は何歳でもできますが、子供を産める期間は思っているよりも短いものです。35歳を過ぎて我に返っても、取り返しのつかないことが起こります。人間も生き物ですから、個人差がかなりあります。40歳前後で出産した”希有な”人を参考に自分の人生を考えるのは非常に危険です。つまり、教授の言う「脂ののった30代前半」には出産をしておくことが望ましいのです。
大学の教員が研究室に大学院生を残したいという気持ちはもちろん理解できますし、学生は性別に関係なく自らの夢を追うべきだと思います。「女だから」で人生を決めるべきではありません。しかし、自分の人生の責任は自分にしか取れません。進路選択をする際には、目先のことだけでなく、遠い将来、20年後、30年後まで考えさせることは大切だと思います。特にその人が大学院卒業後に研究者を目指す場合には、夢や希望だけでなく、リスク(ポスドクの就職難やライフイベントへの支障)についても考えさせた上で、どういう人生選択をするのか考えさせることが必要ではないでしょうか。これは男女問わず、ですね。
  • from 山梔子 :
  • 2015/08/12 (19:28) :
  • Edit :
  • Res

Re:研究する人生を選ぶ際に覚えておいて欲しい事

貴重なコメントありがとうございます。大変参考になりました。
すみません。のんきで。
20年後の産業構造と人生設計を考えた上で進路選択をするように指導はしています。
ドクターはこれまで就職先を考えた上で受け入れており、ポスドクや就職浪人をしているものはおりません。
  • from Gorgias :
  • 2015/08/12 (21:12)

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自然科学者
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自己紹介:
ある地方大学にて教員をしています
自然科学者ですが,趣味は歴史です
とはいえ,趣味はほとんど封印
雑用以外は研究に没頭する日々です...

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